チカール : こんばんは、白くまを小型軽量化して家庭でペットにしたいチカールです。
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ニルギリ : ポメラニアンは上から見るとカキフライにしか見えないニルギリです。
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ぺぺR : 人生の最後はクジラに丸呑みされたいぺぺRです。第2回の【ルール製作】の続きです。第3回、はじまり~。
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【テストプレイ】
ニル : 順位をわからないようにするコンポーネント周りをどうしようかって色々検討したんだけど、色んな形式を試した結果「スリーブの中にカード二枚」っていうところに着地したんだよね。
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ぺぺ : 最初はスリーブの上から書く形式だったし、スリーブを内側と外側の二重にするとか、数字チップを後から入れるっていう案とか色々あったね。
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ニル : でも、実際に作って試してみたら、下のカードを引き出す感覚がすごく楽しかったんだ。
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チカ : そうそう、人の秘密を覗き見るような感覚がよく出るんだよね。
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ニル : PP加工すればカードにペンで直接書いて消せるってことに気付いたのも発見だったよね。それでモックを作ってゲーム会とかに持っていったんだけど、その中でルールも少しずつ変わっていって。
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チカ : 最初は「単独勝利が2点獲得、同点勝利が1点獲得」っていうルールだったね。
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ニル : でも、結構「モヤッとしてて何をすればいいのかわかりづらい」って声があったり、親番が不利だったりして。そこでIKEちゃん(ひとじゃらし)が「同点の場合に親に近い側を優先する」って案を出してくれて。カードを出した結果が明確に決まるようになって、わかりやすいゲームになった。
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チカ : テストプレイでは他にも色々案が出てたよね。
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ニル : 「3位だけを先に明かして基準を作れ」とか、「0位はない方がシンプルでいい」とか、「手札をドラフト制にしよう」とか。「そもそも対決させる意味がわからないから、順位を当てるだけでいいんじゃない?」っていう意見もあった。「それなら、かたろーぐっていうゲームがあるんですよ…」って内心思ったりして…。
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チカ : そもそも「かたろーぐ」の存在を知ったのが後だったんだよね。いざモックが完成したら、「どうやら、かたろーぐっていう相手の好きな順位を当てるゲームがあるらしいぞ…」っていう話になって。
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ぺぺ : 知ったときは落ち込んで、「もう出せないな…」って絶望してボツにしようとしてて。私も「残念だったねー」って思ったけど、でもその後やってみたら「そこまで似てもいないし、十分すぎるくらい独自性はあるな」って話になって救われたよね(笑)。
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ニル : 今まで、期間は短いながらもいろんなゲームで遊んでみて、ゲームの要素が似ることはあり得ると知ってはいたんだ。でも、そもそも「好みを数字に変換する」という部分は核心の一つだったし、ゲームを考え始めるときに「今までない体験を作りたい」という所からスタートしたから、いきなりそれに反してしまったと思って本当に絶望したよ。その後、暗い顔のまま相談したら、チカさんやIKEちゃんに「別物だから作り続けろ」と言ってもらったおかげで続けられた。
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ニル : 自分としては、かたろーぐは一対一のプレゼント、曖昧は一対多のプレゼント交換のようなものになったので、結果別物で良かったなと思ってる。
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チカ : 俺もこのゲームにはホントに思い入れがあって、絶対に面白いから必ず世に出したいなって思ってたから。
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ニル : このゲームの特徴として、テストプレイしてくれた人がいい意見にしろ悪い意見にしろ、必ず意見を言ってくれるのが特徴だったね。微妙なもの見せると「うーん…」って顔して黙られることが多いんだけど。
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チカ : 必ず何かしら触った人が意見を言いたくなるっていう。ダメな物は流されるから、みんな何かしらの可能性を感じてくれたってことだと思うんだよね。テストしていく中で手応えはあった?
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ニル : 手応えはすごくあったよね。「これからテストしていくと色んなことを言う人がいるだろうけど、俺にとってコレは神ゲーだから!」って言ってくれた人がいたりして、嬉しかったね~。
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チカ : ニルさんは初めてのゲーム作りだったけど、何度もアップデートを素早く繰り返してたのも凄かったし、周りの意見の取り入れ方が抜群に上手かったと思うんだよね。人の意見を聞いてる内に自分が何を作りたかったのかを見失っちゃって、潰れてしまったゲームもいくつか見てきたし。
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ニル : そこはネットで事前にそういう記事を読んでたんだよね。「いかに意見を容れないかが大切。その人が見てるのはゲームの一部で、全体を把握してるのは作者しかいない。意見を容れるか容れないかの最終責任は常に作者にある」って。それからスタンスが決まったんだ。
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チカ : でも聞き入れないというのではなくて、いい意見を上手く吸収して取り入れていったよね。
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ニル : だから「このゲームを作ったの?」って言われたときは、必ず自分一人で作ったとは言わずに、「みんながいいアイディアを出してくれたんですよ!」って言うようにしてるんだよね。
(続く)