ゲームマーケット2019秋 新作予約開始!

アナログゲームの祭典、ゲームマーケット2019秋
するめデイズの出展情報をお知らせします!

するめデイズ
ブース番号:土 N25-26
2019年11月23日(土)

==頒布予定ゲーム一覧==

プラネットプラント」★NEW★
ゲームマーケット頒布価格 3,800円


▲構想を長年温めていた待望の新作!!
移ろう季節とともに、不思議な惑星で不思議な植物を育てよう。
4年間でいかにお金を稼ぎ、宇宙栽培を極めることができるか?!
前エントリの創作ノートもぜひ読んでみてください!


ジュエルディガー
ゲームマーケット頒布価格 3,000円

▲ ゲームマーケット大賞2019の二次審査通過作品 !
宝石を掘るとパネルが裏返り、地形が変化する仕組みが面白いゲームです。
他プレイヤーを妨害しつつ、ここぞというタイミングで宝石を華麗に持ち帰れ!
おなじみ小桜世界一先生によるアートワークも魅力。


曖昧フェイバリットシングス 第2版
ゲームマーケット頒布価格 3,500円

▲プレイヤー同士で好きなもの&ことを当てっこ、語り合い!
初めましての人と、よく知るあの人と、確実に仲が深まります。

=============================

以上の3作品を頒布予定です!
新作「プラネットプラント」を事前取り置き対応いたします。
↓こちらから受付中ですので、お早めに!

取り置き予約フォーム

11月21日(木)23:59まで受付!
予定数に達した場合、受付終了させていただきます。


「プラネットプラント」創作ノート

こんにちは、するめデイズのチカールです。

この度、自分にとって長年の夢でもあった最新作・プラネットプラントをついにゲームマーケット2019秋に出展できることになりました!

最初にこのゲームを作ったのはするめデイズができるより前の、今からちょうど5年ほど前だったのですが、そこからどういった経緯で今回の発売を迎えることになったのか、どのような着想と制作過程があったのかなどを語ってみようと思います。

思い入れが強い分、少々長くなると思いますが、ゲームデザイン上の話もできればと思いますので、ぜひお付き合い下さいませ!


【①最初の着想】

このゲームを最初に考えたのは、自分がアナログゲームというものと出会ってから半年くらいの頃で、まだまだサークルとしての販売などはおこなっておらず、野良のような形でいくつか自作のゲームのモックを自分で作っては、近くのゲーム会などに持ち込んだりを繰り返していました。

そして「とにかく1回自分の理想を形にしてみよう!」と思って制作したのがこのゲームでした。幼少期に星の王子さまが好きだった自分は、アストロノーカやスミレの花のように「小さな惑星で不思議な植物を育てる」というテーマを持ったゲームがどうしても作りたくて、それをどうしたら実現できるのかを試行錯誤しました。

そこでに思いついたアイディアが「ボードの下にカードを埋めて、上に引き抜ぬことで成長を表現し、花が咲いたら表向きにする」というものでした。これは会心のアイディアでした!

植物などを育てるボードゲームではこれまでカードを重ねて置いた枚数などで成長段階を表現するものが多く、ビジュアルで植物の成長を表現できているものはほとんどありませんでした。 さらに、この形式にすると植物を育てるという実感が得られながら、どの花を植えたのかが他のプレイヤーからわからないというメリットがあります。

植えてからの時間差がありながら、花が咲いたときに「左右の花壇に水を与えるシャワー草」「他のプレイヤーに弾丸が飛んでいくテッポウ草」など、さまざまな効果が発動したら楽しいゲームが作れるのではないか…そんなイメージが頭の中で膨らんでいきました。こうして、理想のゲームを求めて制作が始まっていったのです。


【②初期バージョンのテスト】

複雑な効果は排除したいという思いから、花の種類は1度のプレイで内容を把握できる16種類まで厳選することに。灯りで照らして隣の花壇の成長速度を上げる花、他人の花壇から奪って差し替えてしまうような花、黄金をまぶして他の花の価値を上げるような花はどうだろう。花のネーミングにはドラえもん感も盛り込んで…ウン、面白くなりそう!

花というフレーバーを大切にするために、「開花を旬の季節と合わせる」というゲーム性と「水やりの苦しさ」を表現し、苦しい時期を乗り越えながらも花が開花することで一気にコンボによってお金が増えるという爽快感を実現するために、システムを練っていきます。

こうしてプラネットプラント(初期は「チュウリッポ」という名前でした)の最初のモックが完成したのですが、ゲーム会に持ち込んで遊んでもらってみるとその反応はまさに賛否両論そのものでした。

成長と開花の面白さを楽しんでくれた方もいた反面、初期は「一体どんな花が咲くのか他のプレイヤーからわからない」「苦しい時期を乗り越えながら花が育って開花を迎える」というフレーバーを大切にしたかったあまり、最初の1年が花を育つのを待つだけの冗長な時間となってしまっていたり、山札からカードを引いてくるだけという運要素の強さからリプレイ性が低いという指摘もありました。

なにより、一番賛否が多かったのが「攻撃性が強すぎる」という指摘でした。自分の中では咲いた花を使って攻撃や防御の駆け引きを繰り広げるという、かなり毒のあるイメージでゲームを制作していたのですが、「ほのぼのしてる見た目やテーマとのギャップが強い」という意見が多かったのです。

▲最初は「マンドラゴラ」という強烈な花もありました・・・

なぜそのような意見が出ることになったのか。それは、自分がこのゲームを作る際に「不思議な花を育てる」というテーマとともに、「インタラクションのあり方をもう一度考えたい」というテーマを持って制作しようと決めていたからでした。


【③インタラクションについて】

当時は「ドイツゲーム」と呼ばれいたものが次第に「ユーロゲーム」と呼ばれるようになっていった時期で、それと同時に「どんどんインタラクション(他のプレイヤーに与える影響)が薄くなっていく」という傾向がありました(この傾向は現在も継続しています)。

共通だった山札が個別の「デッキ」になり、共用ボードから「自分の場」になっていく。中にはインタラクションが一切ないゲームも増えていき、「同じ手順で同じピースを使って、誰が効率の良い点数を取れるか」を個別で競うような、パズルタイプのゲームもよく見かけるようになりました。

特に90年代ドイツゲームには存在していた、誰を攻撃するかを指定する「ターゲッティング」は非常に嫌われる傾向が生まれ、どんどん他プレイヤーとの絡みがマイルドになっていく。しかし、自分にとってはそういった部分も含めて「みんなで遊ぶ」ゲームの味だという考え方があり、どうにもその風潮に違和感を感じ続けていました。

それは自分の幼少期のボードゲームの原点に、非常に攻撃性の強い「ウォーターワークス(水道管ゲーム)」があったからなのかもしれません。他者が必死に伸ばしてる水道に「水漏れ二股」という凶悪なカードをつけるのがなんとも楽しくて、「やめてくれー!」と叫ぶ友人たちと笑いながらよく遊んでいたのを覚えています。

そこで、もう一度「多人数で遊ぶ意味を持たせるための、直接的インタラクションの形があってもいいのではないか?」という提案を込めたゲームが作りたいという思いがあったのです。ちょっとした遊びの無邪気さと言ってもいいかもしれません。

ただし、当時はまだ国産の同人作品で中重量級~重量級のゲームというのは非常に珍しいものであり、受け入れられる土壌はほとんどありませんでした。「ゲームマーケット大賞」といった評価のシステムもなく、玉石混交の作品群の中で1時間以上かかるゲームを作ったり、買ってまで遊ぼうという人はかなり奇特でもあったのです。

その後、自分はこのモックを見て声をかけていただいた吉々庵を経て、メンバーとともにするめデイズを立ち上げることになるのですが、最初はコンポーネントヘビーのこのゲームを作るノウハウも当然なく、カードゲームを中心に作りやすいゲームからリリースしていくことになりました。 このゲームは「売ることを前提にしてない」からこそ作れたものでもあったわけです。

その後も欠点となる部分を見直しながら何度か改良を重ね、メーカーからの販売に期待をかけた部分もあったのですが、何度か立ち上がった話も結局はすべて立ち消えとなってしまい…。そんな中で気がつけば「いつか絶対に出したい!」と思い続けながらも、5年が過ぎてしまっていたのです。


【④「今なら」の期待を込めて】

そんな中で、知人のdaiとの共作もありながら「クアドラ」「たのめナイン」「せっかちプリンセス」「モンスカート」「ポコン」「アニマランブル」「ジュエルディガー」とリリースを続けてきたのですが、大変ありがたいことにゲームマーケット大賞からも何度かノミネートや優秀賞をいただくことができました。

ゲームマーケットへの出展者や参加者も増え続けていますが、その中で次第に中量級~重量級の作品を制作する方も増えていき、徐々に国産作品も選択肢の一つとして受け入れられる土壌ができつつあるのではないかと感じるようになりました。

自分の制作ノウハウの方も徐々に蓄積されてきたため、「今のタイミングだったら出すことができるのではないか?」と思い立ち、2019秋のゲームマーケットに向けて制作することを決めたのです。制作資金もかなりのものになりますし、初の中量級にどのような反応となるかも未知数ですが、自分の夢だと思って勝負をしてみることにしました。

製品版の制作に当たり、「どこまでだったら受け入れてもらえるのか」を見定めながらカードの効果やシステムを徹底的にブラッシュアップ。インタラクション要素は保ちながらも攻撃性は控えめにし、選んで買うことができる「苗の購入」という要素を追加。何度プレイしても楽しめるような心地いいランダム要素と思考性の兼ね合いを突き詰めていきました。最終的にはとても納得の行く形に仕上げることができたと思います。


【⑤システム面について】

プラネットプラントのシステム面についても、少し語ってみたいと思います。カード効果が中心となることから「TCG(トレーディングカードゲーム)」寄りのゲームと見られることが多いですが、自分が目指したのはカードの追加によって発散していくTCGではなく、効果を可能な限り削って凝縮させていくという逆方向のものでした。

花が咲けば必ずプラスのことが起こり、その相乗効果によりコンボが生み出されます。植え続けることで自分の星には能力がどんどん加わり、さらに強くなっていきますが、花壇の数には制限があり、植えた花の数だけ毎ターン水代がかかってしまいます。そのため、ずっと残していたい花を今売ってしまうべきかどうか、それとも取っておくべきか…といったジレンマが生まれます。

カード同士のシナジー(相性)やコンボもありながら、1度のプレイで覚えられる16枚に厳選し、それらのカードの絡み合いによってバランスを取っています。そして、カードの効果はいずれもシステム面にも影響を及ぼすものとなっています。何度かプレイしていただければ、ボードゲーム寄りという印象を持っていただけるのではないでしょうか。

例えば、どんどん永続効果を手に入れて強くなっていく拡大再生産では、使用コストや使用条件を加えたり、「経年」というシステムでどこかでブレーキをかけるのが一般的ですが、本作では「奪う」「売却させる」といった他プレイヤーの花の効果によってシステム上のルールを削っています。ほかにも「手札に枚数上限を加える」のではなく、「一番手札が多いプレイヤーからカードを1枚奪う」といった花を加えることで各プレイヤーの購入枚数を調整するといった具合です。

同じカードは4枚ずつあるため、「マネをすることができる」というのもポイントとなっており、それゆえに「見せつける」というインタラクションが生まれます。「そうか、そんなやり方もあるんだ!」と思ったら、本作ではマネをしたり、阻止をしたり、奪ってしまうといったこともできてしまうのです!

この部分を「黙々と自分の畑を育て続けたい」と考えられる方にどう受け止められるのかがやや気がかりな部分でもあるのですが、自分が目指したのは「えっ、それメチャクチャスゴイな!」「それちょっとヒドくない!?」とみんなで指摘し合いながらワイワイ楽しめるような『宇宙栽培生活』なのです。

植えてから花が咲いて効果を発動するまでに3ターンの時間差がかかるのが最大の特徴で、自分で何を植えたかも忘れてしまうことでしょう。しかし、ときには水代で減りゆく資金にも苦しみながら、「きっとこの花が咲けば何かいいことが起きるはず!」と過去の自分に期待を込め、見事に季節を合わせて花のコンボを決めれば一気に大逆転を決めることが可能です。

他の星のプレイヤーたちとの駆け引きも繰り広げながら、こんなワクワク感と爽快感を味わってもらいたいという願いを込めて制作したプラネットプラント。この独特のプレイ感をぜひ楽しんでみて下さい!

「プラネットプラント」製品紹介ページ


ゲームマーケット2018秋 予約受付開始!

アナログゲームの祭典、ゲームマーケット2018秋
開催まで1ヶ月切りました!エッセンシュピールの話題で盛り上がる中、するめデイズの出展情報をまとめてお知らせします★三

するめデイズ
ブース番号:土F-38
2018年11月24日(土)

==頒布予定ゲーム一覧==

ジュエルディガー★NEW★
ゲームマーケット頒布価格 3,000円

▲待望の完全新作!!
宝石を掘るとパネルが裏返り、地形が変化する仕組みが面白いゲームです。
他プレイヤーを妨害しつつ、ここぞというタイミングで宝石を華麗に持ち帰れ!
おなじみ小桜世界一先生によるアートワークも魅力。
前エントリの創作ノートもぜひ読んでみてください!

「曖昧フェイバリットシングス 第2版」
ゲームマーケット頒布価格 3,500円
Da35zcxVAAY4GBI

▲2015年秋に初出展した「曖昧フェイバリットシングス」の新版となります!
イラストレーターのツクダヒナミさんによる素敵な新デザイン&6名まで対応でよりパーティー向きに!
カードのほかに、旧版まで入っていたポスト・マーカーペン・イレーサー・切手は変わらず入っています。
プレイヤー同士で好きなもの&ことを当てっこ、語り合い!
初めましての人と、よく知るあの人と、確実に仲が深まります。

サキヨミ対戦! アニマランブル」 
ゲームマーケット頒布価格 3,000円
パッケージ

▲かわいい動物同士がタッグマッチ!!ルールは簡単、先読みがアツいゲームです。
必殺技をキメて勝利をつかもう!
仲間との同士討ちにはご注意…

ポコン!
ゲームマーケット頒布価格 1,500円
ポコン表

▲ゲームマーケット春に発表した作品です!
誰もが知ってるリバーシのルールを利用した親しみやすさのあるゲーム。
でもでも化かされないように注意!

モンスカート
ゲームマーケット頒布価格 2,500円
%e3%83%91%e3%83%83%e3%82%b1%e3%83%bc%e3%82%b8%e8%a1%a8

▲自分のモンスターをうまく使って相手モンスターを捕獲!一度遊ぶとわかる奥深いルールが魅力の作品です!
なんといってもカードのイラストが美麗で最高!残りわずかです!

擬音フェスティバル
ゲームマーケット頒布価格 2,000円
パッケージ表

▲刺激的大喜利ゲームの最高峰とも呼ばれる作品!
想像力と表現力が問われるが、苦し紛れの答えも爆笑を誘う。
残りわずかです!

=============================

以上の6作品を頒布予定です!
「ジュエルディガー」「曖昧フェイバリットシングス第2版」「アニマランブル」「ポコン!」
の4作品を事前取り置き対応いたします。
↓こちらから受付中ですので、お早めに!

取り置き予約フォーム

11月22日(木)23:59まで受付!
予定数に達した場合、受付終了させていただきます。

 

ブース番号:土F-38は・・・

↑このあたりでーす!
試遊スペースを用意しておりますのでぜひ遊びにきてください!

それでは!ブース番号:土F-38でみなさまにお会いできるのを楽しみにお待ちしています♪


ジュエルディガー

『配置されたタイルが裏返るといういう新基軸!この空前のジュエルラッシュに乗り遅れるな!』

13175

①どんなゲーム?

各プレイヤーは手番ごとに、長方形の地形タイルを「配置、またはタイルに乗せたキャラクターコマの「回収のどちらかひとつの行動を選択します。

回収した際に同じ色のパネルがつながっている分の点数を獲得できますが、そのときタイルが裏返るのがこのゲームの最大のポイント! 変化していく地形の利用が、勝敗を分けることでしょう。

すぐに理解できる非常にシンプルなルールながら、プレイする度に新たな発見があり、1対1の真剣勝負も2vs2のチーム戦も白熱する、新たなパネル配置ゲームの誕生です!

タテ箱

③3つのポイント

裏返るという新要素を生かした戦略性!
コマを回収する際にパネルが裏返り、地形が変化していきます。この要素により、さまざまな駆け引きや展開が生み出されます!

配置回収か? 鋭いジレンマ
手番に出来ることは「パネルの配置」か、「コマを回収」の2択のみ。しかし、盤面の展開によって複雑に状況が変化していきます。

場所を選ばず、どこでも真剣勝負!
コンパクトなパッケージに詰まった楽しさがギッシリ! 2~4人で場所を選ばずに、いつでも真剣勝負を楽しめます!

紹介動画

※誠意準備中です!

②コンポーネント

<内容物>
・宝石パネル×48枚
・キャラクターパネル×4枚
・キャラクターコマ×12個
・得点コイン×36枚
・シールシート×1枚
・説明書×1枚
・ポストカード×1枚

16643

④ルールブック

※クリックで拡大し、右クリックでダウンロード可能です。

13181

1

・このゲームには知ることでプレイングがグッと面白くなるコツが多数存在します。付属の「テクニック集」を参考に、ぜひ自分なりのコツを見つけてみてください!

13180

創作ノート

このゲームを制作する上で考えたことなどを、創作ノートとしてまとめてみました。ぜひご一読下さい!

ジュエルディガー創作ノート(←クリックで開きます)

⑧Q&A※ここでは寄せられた質問に回答していきます。

Q .エリアはコマ数の優勢で競うのですか?
⇒ このゲームのエリアに「支配権」という概念はありません。結果的に繋がる形であれば、何人がどのように乗る形になっても問題ありません。

⑦製品情報

ジュエルディガー

【ゲームデザイン】  dai&チカール(戸井猛道)
【イラストレーション】 小桜世界一
【プレイ人数】 2~4人用(4人は2vs2のタッグマッチ)
【プレイ時間】 30分


「ジュエルディガー」創作ノート

こんにちは、するめデイズのチカールです!

ゲームマーケット2018秋では、自身にとっては7作目、daiとの共作としては「たのめナイン」「ポコン!」に続いて3作目となる新作「ジュエルディガー」をリリースします!

ゲームの内容に対しては強い手応えを感じている半面、本作をリリースするに当たっては非常に考えることが多く、中々に難しい制作となったのですが、そんな本作の制作経緯をデザイナーズノートという形で語ってみようと思います。

13175

▲「ジュエルディガー」のパッケージイラスト。レトロポップでカワイイ仕上がりになりました!

 

 

【①共作による特殊な着想】

作は高校からの知人でもあるdaiとの共作によるゲームなのですが、彼との共作は奇妙なほどに毎回同じパターンを辿ります。

まずは、daiから「新しいゲームのアイディアを思いついた!」という声がかかり、ファミレスや喫茶店に集まって話を聞きます。ただし、この段階ではゲームとしてまとまっているわけではないので、持ってきてもらったモックで実際に試してみると、あっという間に処理が破綻したり次々に欠陥が明らかになり、残念ながら遊べるゲームとしては成立していないことが大半です。

しかし、そこから「この要素は不要だから削っていいんじゃないか?」「どうやったら遊べる形になるのか?」とアイディアを出しながら、しばらく話し合っていくと、なぜか同じコンポーネントを使った、まったく違う内容のゲームが完成していきます。そして、この段階ですでに製品版としてリリースする際とほぼ変わらない完成度まで、不思議と一気に仕上がってしまうのです。

13178
▲最初のテストは破綻も、「何か遊べる形にならないか?」とルールを検討していくと、新たなゲームが生まれていきました

 

例えば、「たのめナイン」の際は「四則演算の数式で10の倍数を作るゲーム」だったものが「1~9の足し算だけで10の倍数を作るゲーム」になり、「ポコン!」の場合は「オールマイティー入りの5目並べ」が「両面同じパネルが入ってるオセロ」になり、今作の場合は「ミープルが移動して他人を押し出す陣取り」が「同じ色を繋げながら裏返すパネル配置ゲーム」という、いずれもまったく違う形になりました。

そして、この特殊な制作方法を取ると、次に重要になってくるのが「これは一体どういうゲームで、どんな価値を持った作品なのか?」という評価をしなければならないということです。なぜなら、本来であれば先に立てるべきコンセプトが完全な後付けとなってしまうからです。

その評価の段階でお蔵入りとなったものも当然いくつかあるのですが、その中で「これは間違いなく面白く、誰からもプレイしてもらう価値がある!」と思えるものができた際には、そこからテストと調整を重ねながら最適な形を検討し、製品版を制作していくことになります。

 


【②プレイングの発見】

評価の過程で、思いもよらない発見があることもあります。例えば、「たのめナイン」はもともと2人用として考えたゲームでしたが、テストをしてみると3~5人でも問題なく遊ぶことができて、多人数の方がより盛り上がるパーティーゲームだったということが発覚しましたし、「ポコン!」は子供でも遊べる単純なブラフゲームながら、大人でも腰を据えて楽しめる戦略性の幅がありました。

今作を自分が最初にプレイしたときに感じたのは、「ルールはシンプルにまとまっていて欠陥はなく、十分にゲームとしても成立していてるが、抜き出た面白さはなく、目新しさも薄い」といった非常に微妙な印象であり、「他に思いつくものがなければ、次の新作の候補にしておいてもいいかな…」といった程度の感覚を持っていました。

ところが、そんな微妙だった第一印象を覆すことになったのがプレイングの発見でした

13177
▲より遊びやすい形のモックを制作し、テストプレイを重ねていくと…

 

daiと何度も対戦を重ねていくと、次第にこのゲームで有効となる闘い方のセオリーや略が次々に明らかになっていき、そのことごとくに対して驚くほどにバランスが取れている。「ルール」という基盤が生み出し、その先にあるプレイングを開拓していくことで、破綻が生まれるどころか次々に面白さが増していくという驚きの連続となり、最終的には自分もdaiも「このゲームは今まで作ったものの中でも、一番面白いんじゃないか!?」という評価へと変貌していきました。

ジュエルディガーはやればやるほどに面白さを増す、文字通りのスルメゲーだったのです!

 


【③「スルメゲー」という難題】

ところが、ここで「やればやるほど面白くなる、奥深さを持ったゲームができた!」と手放しに喜ぶわけにはいきません。なぜなら自分たちが作っているのは同人アナログゲームの新作であり、メーカー製品でもなければ伝統ゲームでもないからです。

同人アナログゲームの新作は現在、年に3度のゲームマーケットで約200~300本ずつ発売されています。メーカー製品や海外のデザイナーによる作品も次々に輸入されるため、これらの新作すべてを遊ぶどころか、把握することももはや絶対に不可能という状況にあります。

プレイするためには人数と場が必要になるアナログゲームの世界、まして当たり外れが激しく玉石混交の様相を呈している同人ゲームの世界では、最初のプレイで微妙と感じたゲームが、もう一度プレイされる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。

例えば、同人ゲームの新作として「麻雀」が発売されたとすれば、役や点数計算をはじめとしたあまりに複雑なルールを誰一人把握することができず、広く遊ばれることはないでしょう。

では次に、基本的なルール自体は非常にシンプルである「囲碁」だったとしたらどうでしょうか?

これも、同じく広く遊ばれることはないでしょう。なぜなら、囲碁はシンプルなルールの上に構築されていく手筋やセオリーといったものを理解しなければ、ゲームとしての面白さを理解できないからです。指南書や講座などが数多く存在していますが、それらが存在しない段階から自力で発見していくことは極めて困難だと言えます。

そして、努力の先に存在している面白さが不確定なのであれば、多くの人は有り余るほどに存在している「他のゲームで遊ぼう」と考えるに違いありません。なぜ高いハードルを乗り越えてまで囲碁や麻雀が遊ばれるのかと言えば、先人たちによる確固たる評価があるからこそなのです。

igo-beginner-001
▲囲碁はルール自体は単純ですが、「石の生死」の概念や、シチョウなどのセオリーを理解しなければゲームになりません

 

 

【④「伝える方法」の模索】

本作にも同じことが言えます。自分が「このゲームは間違いなく面白い!」という確信を持つことができたのは、約10度目のプレイでした。ジュエルディガーは囲碁などと違って、初プレイで「一体何をすればいいのかわからない」というほどにハードルが高いゲームでは決してないのですが、それが逆に単純で底が浅いゲームに見えてしまうという課題がありました。

実際にモックを持っていって、テストプレイをしてもらっていた初期の段階では肯定も否定もされず、どんな人からも何のリアクションも出てこないという実に不思議な結果になりました。恐らく、遊んでいただいた多くの人が「欠陥や破綻はないものの、取り立てた長所もない」という、最初に自分がプレイしたときと同じような印象を持ったのだと思います。

そこで、次にルールの説明に加えて、さらにプレイングの解説をおこない「今まで自分たちが見つけてきたセオリーを伝えながら遊んでもらったらどうなるか?」を試してみることにしました。すると、今度は驚くほどに反応が変わり、非常に好評を得ることができました。

ゲームの本来の楽しみは、自分たちで考え、自らの手で楽しさを見つけていくことにあると思います。しかし、「ルールを理解してもらうこと」と「ゲームが持つ面白さを理解してもらうこと」はまったく違うのです。

この難題に対して、なんとか伝えるアプローチができないかと、さまざまな方法を考えながら制作したのが今作の「ジュエルディガー」です。このデザイナーノートもその一環ですが、フレーバーやコンポーネントを工夫したり、説明書の裏面には「テクニック集」を掲載したり、ポストカードという形で注意書きをつけるなど、自分なりの方法論で幾重にもアプローチを試みたつもりです。

 

本作と半年間向き合ってきた自分としては、間違いなく素晴らしいゲームであると確信しています。ぜひ自分なりに「一体どうすれば勝利へと繋がるんだろう?」と、多少なりとも腰を据えて遊んでみてください。必ずや、本作が持っている楽しさに気づき、楽しんでいただけるはずです!

16643
▲自信を持ってお届けする最新作「ジュエルディガー」。ぜひ遊んでみてください!