◆こちらのページでは、アナログゲームの世界で主に用いられる用語について解説します。知らない用語が出てきた時などに、ぜひ活用してみてください!


【あ】

■ アクションポイント制
各プレイヤーがそれぞれのターンで規定されたアクションポイントを消費し、その回数分の行動を行うゲームシステム。行動の種類によって消費するポイントは異なる場合も。『パンデミック』や『トーレス』などが代表的な作品。

■ アクション要素
「早い者勝ち」といったスピード要素、「崩さずに乗せる」といったバランス要素など、身体動作をゲーム性に取り入れることで、アナログならではの楽しさをゲームに加える。『ドブル』や『スティッキー』などが代表的な作品。

■ 圧縮(あっしゅく)
『ドミニオン』のようなデッキビルディングタイプのゲームで、不要になる弱いカードを捨てることで、強いカードの循環効率を上げる戦略の一つ。また、持ち運びが不便な外箱の大きいゲームを小さくして持ち運ぶことも「圧縮をかける」という。
 
■ アブストラクト
本来的は「テーマ性がない無機質なゲーム」のことを指す言葉だが、ランダム要素を持たない「完全情報公開ゲーム」のことを指す場合も多い。思考性と競技性が高くなるが、運の要素が全くないため初心者が上級者に勝つことは難しい。『チェス』や『オセロ』などが代表的な作品。

■ アナログゲーム
ビデオゲームやモバイルゲームに対して、電源を使わないゲーム全般を指す言葉で、「非電源ゲーム」とも言う。広義には野外レクリエーションなども含むが、一般的にはボードゲームやカードゲームなどを含めたテーブルゲーム全般を指す。

■ 委託販売
同人ゲームの流通方式の一つで、ショップが前金を払って買い取るのではなく、ゲームショップの店頭に置かせてもらい、売れた分だけが後から精算されるという方式。

■ インスト

「インストラクション」の略で、ゲームを開始する前に各プレイヤーにルールを説明すること。わかりやすく要点を伝えることができればスムーズにゲームへ導入することができ、アナログゲームを楽しむ上で非常に重要な要素になる。

■ インタラクション
攻撃、交換、交渉など、プレイヤー同士の絡み合いとなる要素のこと。インタラクション要素が少ないゲームはソロプレイ感が高くなる。優れたインタラクション要素は、多人数で楽しむアナログゲームならではの醍醐味になる。

■ インディーズゲーム
「同人ゲーム」という言葉が発展したもので、同人文化が根付く日本独特の
ゲームが生まれる場として海外からも注目を集める。「500円ゲーム」などの企画を始め、ミニマムな作風が特色の一つになっている。

■ 隠匿情報(いんとくじょうほう)
それぞれが隠し持つ手札など、全員に向けて公開されていない情報のこと。隠匿情報はそれを知るものだけが有利に働くため、戦略を考える上でも重要な要素となる。

■ヴァリアブルフェイズオーダー
生産、輸出、建築など、幾つかの選択肢がある中であるプレイヤーがその行動を選択したら、他のプレイヤーも追従して全員同じ行動を取るが、選択した人だけ少し特をするようになっているという行動選択のシステム。プエルトリコなどで採用されている。

■ ヴァリアント
基本ルールに対して、バリエーションとして作者側が用意したアレンジルールのこと。内容はゲーム性を変化させたり、対応人数外のプレイに対応したりと様々で、ヴァリアントを採用するかどうかはプレイヤーの自由。

■ ウォーゲーム
テーブルゲームの中でも戦争をテーマにしたもので、テーマの再現性を重視し、プレイ時間が長く、ルールが比較的複雑なものが多い。ドイツ製のゲームには軍事戦争をテーマにしないという暗黙の了解があるため、、「ドイツゲーム」というカテゴリーとは区別されることが多い。

■ エクスパンション
拡張として、別売りのパッケージで追加される要素のこと。単品では遊べない物が多い。加えることでルールやゲーム性を変化させたり、役職やマップなどの要素を拡張する。ルールの複雑性も上がるので基本セットに慣れた上で導入するとよいだろう。

■ エッセン・シュピール
毎年10月頃にドイツのエッセンで行われる、世界最大のアナログゲームイベント。世界各地から約15万人の愛好家、約800の団体が集まる巨大な国際見本市となっていて、世界中のアナログゲームファンの注目を集める。

■ エラッタ
ビデオゲームにおける「バグ」にあたるもので、特定の条件や行動をとってしまうとルール上の処理ができなくなって破綻しまうという設計上のミスのこと。発覚したエラッタの対処方法はホームページなどで告知される場合もある。

■ エリアマジョリティー
ある範囲に配置された駒の中で、最大数を獲得した者が支配権を獲得したり、特別な効果を得るといったゲームシステムの1つ。他のプレイヤーの動向を見ながらの配置に頭を悩ませることになる。『エルグランデ』や『王と枢機卿』などが代表的な作品。

■ オープンゲーム会
公民館やゲームスペースを借りて、参加者たちで持ち寄ったゲームを自由に遊ぶゲーム会。参加者はネットで公募され、「TwiPla」などのサービスで募集されることが多い。
人数も少人数から数百人規模までのものもあり、ルールや形態も様々。

■ お仕事(おしごと)
多人数ゲームにおいて、次のプレイヤーにとって絶対的に有利になる手が存在する場合、自分がその行動ができないようにカットしなければならないので、たとえ得がなかったとしてもあるプレイヤーに独走をさせないために、取るべき手が決まってしまうという状況のこと。

■ 重い(おもい)
ゲームを楽しむ前に覚えるルールが多く、プレイ時間が長いもの。「ヘビーゲーム」とも言う。主に1プレイが2~3時間を超えるものを指し、中にはルール説明に1時間近く必要とするものも。初心者と遊ぶ場合には向かないが、プレイ感が濃密で奥の深い作品が多い。

【か】

■ 解決(かいけつ)
各プレイヤーの選択した行動に対して、ルール上の処理を順次行っていくこと。一つずつ正しく処理していかないと、プレイを進める上で混乱を招く。

■ カウンティング
主にトランプ系のカードゲームで有効になる戦略の一つで、既に存在が明らかになっているカードの枚数などを数えて記憶しておくことで、残りのカードの種類を予想したり、期待値を計算するテクニック。記憶力を必要とするが、特にカードの枚数や種類が少ないゲームなどでは有効になる。

■ 拡大再生産(かくだいさいせいさん)
資源の生産を目的としたゲームなどで、手に入れた資源を消費して建物などを作ることで、さらに生産力を向上させて、より多くの資源の獲得を目指すもの。『カタン』や『電力会社』などが代表的な作品で、成長の実感と爽快感を味わうことが出来る。

■ カット
ディーラーがカードをシャッフルしたあと、山札を切り分ける場所を他のプレイヤーが指定することで、不正を防ぐ方法。または、あるプレイヤーに有効な手がある場合に、それを妨害すること。特に、ドラフト方式を採用したゲームで、そのカードを先に自分が取ってしまう事をカットという。

■ 軽い(かるい)
ルール説明が簡単で、1プレイが5~30分くらいで気軽に楽しむことが出来るゲームのこと。「ライトゲーム」とも言う。パッケージが小さかったり、デザインも親しみやすいものが多い。軽いゲームは初心者にも薦めやすく、ゲーム会でも時間合わせの調整などに重宝する。

■ 枯れる(かれる)
使用する山札がなくなったり、特定の種類のカードが全て出尽くしてしまうこと。『宝石の煌めき』など、ゲームの内容によっては意図的に枯らす行動を狙うことで、他のプレイヤーの行動を制限するといった戦略を取ることも可能。

■ GEEK(ギーク)
「Board Game Geek」という世界最大のアナログゲームサイト。世界各国の多数のユーザーによってスコアがつけられてランキング形式で提示されるが、エキスパート向けの重めのゲームが好まれる傾向が非常に強い。

■期待値(きたいち)
ある行動をとったときに、その見返りとして期待できる値のことで、期待値を計算しながらプレイすることで、効率よく選択肢を選ぶことができる。例えばダイスを2つ同時に振ったときの合計の期待値は7になる。

■ 協力ゲーム
プレイヤー同士で戦うのではなく、相談したり知恵を出し合ったりしながら、全員で協力してシステムと戦うタイプのゲームのこと。『パンデミック』、『HANABI』、『アンドールの伝説』などが代表的な作品。

■ 切り札(きりふだ)
トランプのジョーカーなど、出せば必ず勝つことが出来るカードのこと。ゲームによっては特定のスート(絵柄)が切り札として扱われる場合もあり、切り札の出しどころは勝負を分ける大きなポイントになる。

■ キングメーカー
もうすでにトップになることが出来ないことが確定してしまっているプレイヤーの行動によって、トップのプレイヤーの順位が変動し、最終的な順位が決まってしまうこと。多人数で競うゲームで発生する場合があり、しばしば「キングメーカー問題」と呼ばれる。

■ クトゥルフ神話
アメリカの小説家ラヴ・クラフトによる世界観を元に、創作によって広げられた架空の神話体系で、タコのような頭部をした異型の邪神「クトゥルフ」などが登場し、「SAN値」の存在も特徴的。TRPGやアメリカのアナログゲームにおいてテーマにされることが多い。

■ ゲーマーじゃんけん
人数が多くても引き分けになる確率が低い、アナログゲーマーには有名なジャンケンの方式で、「最も人数が少ない手を出し、同数ならその手を比べて勝った方」を勝者とする。多人数でスタートプレイヤーを決める際などに絶大な効果を発揮する。

■ ゲーマーズゲーム
深い戦略性や駆け引きを持つような、普段からゲームを嗜む熟練者に向けたゲームのことで、ドイツゲーム大賞においては「エキスパート賞」として区別される。ルールが複雑で時間が掛かる物が多く、初心者同士で楽しむ場合には向かない。

■ ゲームデザイナー
ルールを考案し、新しいゲームを作り上げる製作者のこと。ヒット作を多数制作したクリエイターはブランドでもあり、多くの尊敬を集める。ライナー・クニツィア、アレックス・ランドルフ、ヴォルフガング・クラマーらが代表的。

■ ゲームカフェ(ゲームバー)
近年増えてきた、飲食とボードゲームを楽しむことが出来るお店のこと。料金や時間の形態は様々で、独自のイベントやゲーム会を開催しているお店も多い。店内には多数のボードゲームが置かれ、利用者は自由に遊ぶことが出来る。

■ ゲームマーケット
アークライトが主催する、国内最大のボードゲームイベント。現在は春と秋に東京、夏に大阪と年三回開催され、同人ゲーム作家の即売会のほか、ショップやメーカーによる販売も行われ、製作者と直接触れ合える試遊卓も多数用意される。

ゲームマーケット大賞
2015年より創設された、ゲームマーケットで販売された新作アナログゲームの中から、優秀作品をゲームマーケット事務局によって選定して贈られる賞。第一回の大賞作品は『海底探険』となった。

■ 化粧箱(けしょうばこ)
パッケージとなる外箱のこと。ボードゲームにおいては型抜きや販売の際に目立つように化粧箱を不必要に大きくする傾向があり、中身はスカスカということも少なくはない。『チャオチャオ』や『ナイアガラ』のように、箱自体をゲームに使用するものも。

■ 言語依存度(げんごいぞんど)
カード効果やテキスト量の多い海外製のゲームは「言語依存度が高い」と表現され、各自でシールを貼ったりするなど翻訳作業を行わなければ遊ぶことが出来ないが、テキストが少なくアイコンなどで表現されている場合は言語依存度が低いため、ルールを知っていればそのまま遊ぶことが出来る。

■ 公開情報(こうかいじょうほう)
隠匿情報に対して、表向きに置かれた場札など全員に対して明らかにされている情報のこと。公開情報を手がかりにすることで、隠匿情報を推理していくことができる。

■ コミュニケーションゲーム
言葉を使って遊んだり、絵を書いたりといった、他者とのコミュニケーション要素に重点を置いたゲームのこと。『テレストレーション』や『ディクシット』が代表的な作品。内容は簡単で軽いものが多く、初心者同士や気の知れた仲間同士で遊ぶ際に活躍する。

■ コンポーネント
そのゲームのパッケージに入っている、ボード、カード、駒、チップなどを合わせた、全ての内容物を指す言葉。優れたコンポーネントは大きな魅力の一つになるが、外見だけが優れて内容が伴わないものは、「コンポーネントゲーム」と揶揄される。

【さ】

■ サプライ
スリーブ、プレイマット、カードケースなど、プレイを快適にするためのグッズのこと。または、ゲーム内で手に入れていくカード、チップなどの供給先を指し、特に「ドミニオン」などで購入していくカードを並べる場所のことをサプライと呼ぶ。

■ サマリー
そのゲームをプレイする上で覚えておく必要がある要素をまとめて記載したもの。ルールシートやカードのような形で添付されている場合もある。内容が複雑なゲームを人に勧める場合は、簡易的なサマリーを作っておくと導入に役立つ。

■ 産出(さんしゅつ)
『カタンの開拓者』など資源を手に入れていくゲームにおいて、土地や建物がその効果を発揮して資源を生み出すこと。

■ SAN値(さんち)
「正気度」を意味する、クトゥルフ神話を元にした作品で用いられる象徴的なパラメーター。各プレイヤーはショッキングな事柄や超常現象に遭遇した時にSAN値を失っていき、SAN値がなくなると狂気に陥って復帰できなくなる。

■ シナジー
「相乗効果」を意味する言葉で、様々な施設を立てたり、カードを手に入れていくゲームの場合、相性のいい組み合わせを発見することが勝利の近道となる。

■ ジレンマ
ゲーム中に「あちらを立てればこちらが立たず…」と悩ましい選択に遭遇すること。優れたジレンマはゲームの面白さの核になる。特に、巨匠ライナー・クニツィアが作品内に仕掛けるジレンマは「クニツィアジレンマ」と呼ばれる。

■ しゃがむ
あえて一時的に不利になったり点数が下がる行動をとることで、じっと力を溜めて後の反撃や逆転を狙う戦略をとること。トップになると狙われてしまうようなジリジリとしたゲーム性は、「洗面器ゲーム」とも例えられる。

■ 収束性(しゅうそくせい)
そのゲームが終了条件を満たすまでのスムーズさを表す言葉で、収束性が高いゲームは一定のプレイ時間やターン数で自然に終了する。
逆に収束性が低いゲームは中々終わらずにプレイ時間が長引いてしまうことがあり、あるいは唐突に幕切れしてしまうことも。

■ 正体隠匿(しょうたいいんとく)
それぞれのプレイヤーに役職やキャラクターを秘密裏に配布し、他のプレイヤーは誰がどの役職なのかを推理しながらゲームを展開するもの。『汝は人狼なりや』や『レジスタンス アヴァロン』などが代表的な作品。

■ 終了条件(しゅうりょうじょうけん)
そのゲームが終わるための条件。カードの山が尽きる、誰かが手札を全てなくす、誰かが規定の得点を稼ぐなど、ゲームによって種類は様々。初めてのゲームをプレイする前には、まず終了条件を確認しておきたい。

■シュリンク
運搬の際にパッケージが傷まないように外部から包装するビニールのこと。シュリンクのかかったゲームは未開封であるため、もし遊びたいという場合にはそのゲームの持ち主に開封してよいか確認を取りたい。

■ 勝利条件(しょうりじょうけん)
そのゲームで勝つために必要となる方法。お金を最も稼いだ人、最も多くの土地を獲得した人など、条件はゲームによって様々。ポイントをより多く稼いだ人が勝利となるゲームにおいては「勝利点」と表現される。

■ スート
トランプにおけるスペード、ハート、ダイヤ、クローバーの種類のこと。数字の書かれたカードゲームでは色ごとに種類が分かれている場合があり、5色のカードであれば「5スート」と表現される。

■ スタートプレイヤー
ゲームを最初に開始する人のことで、目印となるマーカーが置かれることも。ドイツゲームではプレイヤー同士の会話を促進するユーモアとして、「一番最近に○○をやった人」といった決め方がマニュアルに書かれていることが多い。

■ ストラテジー
戦略性のこと。特に部隊を率いて戦略を立てて陣地を侵略していくようなタイプのゲームを「ストラテジーゲーム」という。

■ スリーブ
カードを保存してしまっておくための透明のビニールのこと。カードが汚れないようにスリーブをつけたまま遊ぶプレイヤーも多い。サイズや形状は作品によって様々であり、それぞれに見合ったスリーブを探す必要がある。

■ セットアップ
そのゲームを始める前に行う下準備のこと。使うコマの種類が多かったり、始める前に決めておかなければならない物が多いゲームでは、セットアップに時間がかかる場合もある。スムーズに始められるように準備をしておきたい。

■ セットコレクション
単品では効果を発揮しないが、複数枚集めることで何かしらの効果を発揮するものを集めていくというゲームシステムの1つで、誰がどの種類を集めるかの判断が勝敗を分ける。『麻雀』や『PIT!』などが代表的な作品。

■ 競り
複数のプレイヤーでチップなどを提示し合い、最も投資したプレイヤーが獲得するという要素。オークションともいう。競りを中心に添えたゲームを「競りゲーム」といい、『モダンアート』、『ラー』、『ハイソサエティ』などが代表的な作品。

■ ソリティア
トランプに「ソリティア」という名前のゲームがあるが、本来は一人プレイ(ソロプレイ)で遊ぶゲーム全般を指す言葉。ドイツゲームにも『ロビンソン漂流記』、『オニリム』、『シェフィ』など、ソリティア専用のゲームが存在する。

■ ソロプレイ感
他者との絡みとなる要素が少なく、1人で遊んでいるのと変わらないように感じてしまうことを「ソロプレイ感が強い」と表現する。好まれない要素ではあるが、『アグリコラ』や『シティビルダー』など、多人数用のゲームながらソロプレイが可能なものも。

【た】

■ ターゲッティング
プレイヤーの意思で攻撃する相手を選択して、直接的な妨害を行うこと。共存共栄の精神を重んじるドイツゲームにおいては好まれない傾向があり、妨害となる行動は間接的に対象が決定されるように作られることが多い。

■ ダイスゲーム
サイコロを振ることがゲーム性の中心になっているもの。運の要素を加えたり、出目で行動を制限したりと用いられ方は様々。『キングオブトーキョー』や『ヘックメック』などが代表的な作品。

■ ダウンタイム
他人の手番を待っているため、自分は次の手を考えたり行動することも出来ない時間のこと。ダウンタイムが長いゲームはプレイに参加できない時間が増えてテンポが落ちるため、同時処理など、ダウンタイムを減らすための様々な工夫が取られている。

■ タップ
TCGなどで主に使われる用語で、カードを横に向けることでカード効果を発動すること。逆に横向きになったカードを縦向きに戻すことを「アンタップ」とも言う。

■ 丁合(ちょうあい)
印刷所に依頼して刷られたカードを、正しい枚数と種類になるように詰め替える作業のこと。地道で非常に大変な作業だが、製造コストを下げるために手作業で行っている製作者も多い。

■ 長考(ちょうこう)
次の手を考えるために時間を使うこと。最適な手を選択するためには必要でもあるが、過度な長考は全体のプレイテンポを下げることにもなる。相手を待たせるということも意識した上で、勝負所の長考では断りを入れるとよいだろう。

■ 詰み
その後にどういった行動を選択したとしても、絶対に勝敗が確定してしまう状況のこと。2人対戦ゲームの場合は、詰みになった時点で敗者の投了によって終了となるものが多い。

■ 積みゲー
買ったゲームをプレイすることなく、棚にしまったまま積んでしまうこと。ゲームコレクターの悩みの種で、積みゲーを消化するための「積みゲー崩し会」なども開かれる。

■ ディスカード
手持ちのカードを破棄すること。破棄されたカードは捨て札置き場などに置かれることが多い。

■ TRPG(てぃーあーるぴーじー)
「テーブルトークRPG」の略称で、各プレイヤーがキャラクターをメイキングして、ゲームマスターが用意したシナリオに沿って会話し、サイコロを振ってゲームを進める古典的な形式のゲーム。「ドイツゲーム」とは区別されることが多い。

■ TCG(てぃーしーじー)
「トレーディングカードゲーム」の略称で、バラ売りにされたカードを購入してそれぞれがデッキを構築し、カード効果を駆使して戦うゲーム。『マジック・ザ・ギャザリング』などが代表的な作品。「ドイツゲーム」とは区別されることが多い。

■ ディベロップメント
ゲームデザイナーが作り上げたルールを元に、コンポーネント決定やパッケージデザインをし、製品化のプロセスを踏むこと。ディベロップを担当するメーカーのことを「ディベロッパー」といい、製品としての完成度を決定づける重要な役割を担うことになる。

■ 適正人数(てきせいにんずう)
「プレイ可能人数」とは異なり、そのゲームを楽しむ上で最も面白く遊ぶことが出来る人数のこと。適正ではない人数でプレイすると、ダウンタイムが増えてテンポが冗長になったり、駆け引きが味気なくなったりとゲーム性が損なわれる。

■ デッキ
手札を集めて作られた自分専用の山札のこと。トレーディングカードゲームなどではカードごとの相性やコストを考えながら、強いデッキを作ることが勝利への道となる。

■ デッキビルディング
トレーディングカードゲームのデッキを作る工程自体をゲーム性に取り入れたもので、『ドミニオン』の大ヒットによって一つのジャンルとなった。トレーディングカードゲームと違い、全員が公平な状態からデッキ作りで競うことが出来る。

■ 伝統ゲーム(でんとうげーむ)
アナログゲームの中でも、『麻雀』『チェス』『将棋』など、伝統的に伝わるゲームはドイツゲームとは区別されることが多い。同じく『ポーカー』や『ブラックジャック』などのトランプゲームもドイツゲームとは区別される。

■ トークン
プレイヤーの残り体力や状態などを表現するために用いられるチップやコマのこと。ゲームによって種類や形状も様々で、「マーカー」とも呼ばれる。プラスチックよりも木製が多いのもドイツゲームの特徴で、手触りと温かみのある質感が魅力。

■ ドイツゲーム
ドイツで作られたゲームという意味ではなく、特定の傾向を持ったボードゲームとカードゲーム全般を指す言葉。美しいコンポーネント、適度な運とテーマ性、他プレイヤーへの攻撃性の低さ、軍事戦争をテーマとしない、などといったいくつかの傾向を持っている。

■ ドイツ年間ゲーム大賞
ドイツゲームの世界における最高権威の賞で、毎年7月頃に評論家や委員会によって大賞作品が選出される。マニアックなゲームよりも一般性や展望を重視する傾向があり、「エキスパート賞」や「子供ゲーム賞」といったカテゴリーも生まれた。略称は「SDJ」。

■ ドイツゲーム賞
「ドイツ年間ゲーム大賞」とは異なり、ドイツのゲームファンによって選ばれる大賞。ドイツゲームの指標性を決める年間ゲーム大賞と比較すると、その年で人気を博して広く遊ばれた作品が選ばれるという傾向がある。

■ 同人ゲーム(どうじんげーむ)
メーカーによる市販品に対して個人作家が制作している作品のことで、ゲームマーケットでの販売や各店舗での委託販売が行われる。商標を獲得したメーカーがリニューアルして製品化する場合もあり、現在の日本においてその線引きは曖昧になりつつある。

■ ドラフト
他人とそれぞれの手札を交換し合うこと。中でもドラフト自体がゲーム性の主軸となっている作品のことを「ドラフトゲーム」といい、相手に取られたくないカードをあえて引き取るといった駆け引きが生まれる。『あやつり人形』や『フェレータ』などが代表的な作品。

■ トリック
トリックテイキング形式のゲームで用いられる用語で、全員のカードが出揃った状態で最も強いカードを出した人が、他の全てのプレイヤーが出したカードを獲得する。この工程を「トリックを取る」、または「1トリック獲得」という。

■ トリックテイキング
トランプ形式のゲームにおける代表的なルールの一つで、親が出したカードに対し、子がそれぞれの手札を順番に出し、一巡した所で最も強いカードを出した人がトリックを獲得、次の親になるというタイプで、派生作品が非常に多い。略称は「トリテ」。ドイツゲームにおいては『5本のきゅうり』、『スカルキング』などが代表的な作品。

【な】

ニュルンベルク トイフェア
ドイツのニュルンベルクで毎年おこなわれる、国際玩具見本市のこと。世界最大の玩具とゲームの見本市であり、毎年100万点の商品が出品される。

【は】

■ バースト
「破裂」や「破産」を意味する言葉で、今まで溜めたものが全て失われたり、蓄積した失点が降りかかるといったゲームシステムの一つ。プレイにスリル感や盛り上がりを加える。『ノイ』や『インフェルノ』が代表的な作品。

■ パーティーゲーム
ルールが簡単で子供から大人まで誰でもプレイでき、盛り上がる要素を持ったゲームのこと。運の要素が強かったり、勝ち負けが問われずに楽しめるもの、プレイ人数の融通が効くものがパーティーゲームとしては適している。

■ ハウスルール
公式な場では用いられないが、仲間内などで遊ぶ場合に採用される特殊ルールのこと。「ローカルルール」とも言う。ハウスルールをオープンゲーム会などで用いる場合は、あらかじめプレイヤーたちに適用の許可の確認をしておいた方がよいだろう。

■ バッティング
他者との出したカードの種類が同じだったり、同じ行動を選択してしまうこと。特にバッティングをゲーム性の中軸に取り入れたものを「バッティングゲーム」といい、『ハゲタカのえじき』や『GO STOP』などが代表的な作品。

■ BGG(ビージージー)
BOARD GAME GEEKの略称。(GEEKの項目を参照)

■ 非公開情報(ひこうかいじょうほう)
個人だけが知る隠匿情報と違い、場に伏せられたカードなど誰も知ることが出来ない情報のこと。カードゲームにおいては記憶力によって差が生まれてしまうカウンティング対策として、数枚のカードをあらかじめ抜いて非公開情報にすることが多い。

■ピックアンドデリバリー
ボードゲームのジャンルの一つで、ある場所にいくことで荷物を集荷(ピック)して、それを別の場所に届ける(デリバリー)ことで点数を獲得していくタイプのゲームのこと。『クシディット王国記』や『ヴァルドラ』などが代表的な作品。

■ ブースタードラフト
トレーディングカードゲームの遊び方の一つで、それぞれがブースター(カードの束)から一枚を選んで、残りのカードを隣に渡すという手順を繰り返す方式。各プレイヤーが同時に行うため、ダウンタイムが少ないという長所があり、ドイツゲームでも『世界の七不思議』や『メディバルアカデミー』などの作品で取り入れられている。

■ フードサプライ
手持ちの駒を増やすことに対して、それぞれの駒に食料が必要になるという形式。行動回数を増やせる代償として食料供給が必要になり、苦しくも楽しいジレンマを生み出す。『アグリコラ』や『ストーンエイジ』などの作品で取り入れられている。

■ ファンブル
「致命的な失敗」を表す言葉で、主にテーブルトークRPGにおいて同時に振ったダイスの目が「1と1」や「6と6」だった場合などに発生する。システムやゲームマスターの裁量にもよるが、プレイヤーは大きな被害を受けることになる。対義語は「クリティカル」。

■ フェアリー
正式のルールで遊んだ場合にバランスが悪い要素などを改善するために、プレイヤー側で作成したオリジナルルールのこと。インターネットで自作のフェアリーを公開しているプレイヤーも多い。

■ フェイズ
「段階」を表す言葉で、主にラウンドを構成する要素として用いられる。第1フェイズ ⇒ 第2フェイズ・・・と進行させていくことで1ラウンドが終了する。また、手番に出来ることがフェイズによって分かれている場合もあり、その場合はフェーズごとの行動を実行して手番が終了となる。

■ 奉行問題
協力ゲームにおいて、一人のプレイヤーの意見によって他のプレイヤーの協力を必要とせずにゲーム全体を仕切れてしまうという問題。各自に非公開情報となる手札を与えたりすることにより、ある程度解決をはかることができる。

■ ブラフ
ウソをついたりはったりをかけて、相手の行動を惑わせる駆け引きをすること。この要素を中心に置いたゲームを「ブラフゲーム」といい、『ブラフ』、『コヨーテ』、『チャオチャオ』、『ファブフィブ』などが代表的な作品。

■ フレーバー
「島を開拓する」「ゾンビから逃げる」「神殿を建築する」「鉄道を繋げる」といった、そのゲームが持つテーマのこと。ユーロゲームにおいて重要視される要素のひとつで、フレーバーが一致したゲームは臨場感を与え、ルールの理解を助け、プレイ感覚を向上させる。

■ プレイ
手札を場に一枚出すこと。カードによっては場に出した時に何らかの効果を発揮したりもする。

■ プレイアビリティー
遊びやすさのこと。処理が煩雑だったり、複雑な手順を踏むもの、セットアップや片付けが大変なゲームではプレイアビリティーが低くなる。駒やチップの入れ物を用意したり、サマリーを用意すれば、プレイアビリティーは向上する。

■ プロット
カードを裏向きに置いたりすることで先の手順の行動をあらかじめ決定し、それを順次実行していくという要素のこと。先の展開を読むことが重要になる。『コルトエクスプレス』や『クシディット王国記』などが代表的な作品。

■ プレイエイド
プレイアビリティーを高めるために用意されるもの。覚えることが多いゲームにおけるサマリーシートなど、有志によってネット上で配布される。

■ ヘイト
嫌悪感のことで、特定のプレイヤーを攻撃することを「ヘイトを買う」という。対義語は「恩を売る」。ターゲッティングが可能なゲームの場合、ヘイトを買うと仕返しの対象として狙われやすくなる。

【ま】

■ マストフォロー
トリックテイキングのルールの一つで、親が出したスート(カードの種類)に対し、子は可能な限り同じ種類のカードを出さなければならないという制約を持つもの。逆に同じスートを出してはいけないものを「マストノットフォロー」という。

■ マルチ
「マルチプレイヤーズゲーム」の略で、トップのプレイヤーを直接攻撃で叩くことで、各プレイヤーのバランスを取るタイプのゲームに対する蔑称。マルチ傾向が強いと、最善手をとっても他のプレイヤーの動向によって順位が左右される。80~90年代のゲームに多く見られ、近年のユーロゲームでは減少傾向にある。

■ ミープル
カルカソンヌで用いられる、人の形をした木ゴマのこと。その親しみやすさから人気となり、様々な形のコマが見られるようになった。

■ ミニチュアゲーム
小型の立体コマやジオラマを利用して遊ぶ、ウォーゲームの派生系。定規やメジャーなどで実際に尺を図りながらプレイするのが特徴。コマの塗装などにより感情移入が出来るのが醍醐味で、ドイツゲームとは区別されることが多い。

■ メイフォロー
トリックテイキングのルールの一つで、親が出したスートに対し、子は同じ種類のカードを出せるときは出してもいいし、出したくない場合は出さなくてもよい、というもの。ただし、その場合はその勝負から降りることになる。

【や】

■ ユーロゲーム
ドイツ以外でも、ヨーロッパではフランス、オランダ、スウェーデンなどの各国で優れた作品がリリースされるようになり、「ドイツゲーム」よりもより包括的な意味合いを持つ言葉として、「ユーロゲーム」と呼称されるようになった。

【ら】

■ ラウンド
トランプゲームにおいてはプレイヤーが一巡することを指す言葉だが、ゲームによっては1つの区切りとして扱われる。

■ ランダム要素
ユーロゲームにおいて重視されている要素の一つで、カードの引き運やダイスの出目など「揺らぎ」となる要素を加える事で、プレイヤーの実力差を緩和して手軽にしたり、リプレイ性を高めるといった効果を生み出す。ただし、あまりにも運の要素に左右されるゲームは「運ゲー」と揶揄される。

■ ランダマイザー
ランダム要素によって毎回のゲーム性を変化させることで、飽きがこないゲーム性を実現する。『ドミニオン』ではゲームを開始する前にランダマイザーによって、今回のゲームで使用するカードの種類を決定する。

■ リード
トリックテイキング形式のゲームで、最初に親(リードプレイヤー)が場に出したカードのこと。子はマストフォロー、メイフォロー、マストノットフォローといったルールに従い、リードに沿ったカードを出すことになる。

■ リソース
資源のこと。基本的なお金のほか、麦、鉄、羊、トウモロコシなど、用いられるリソースの種類はゲームによって様々。集めた資源を使って建物を立てたり、限られた資源で効率のよい活用方法を考える形式のゲームを「リソースマネジメント」という。

■ リファレンス
ゲームに添付されている説明書のこと。アナログゲームの中にはルール表記が複雑で、説明書を1度読んだだけでは内容を理解しづらいものも多いため、未プレイのゲームを持って行く場合はなるべく事前にゲーム性を把握しておくことが望ましい。

■ リプレイ
集まってゲームを遊んだ後、そのプレイ内容を文章にしてインターネットなどで公開すること。TRPGでは書籍として販売されることも多い。近年では動画サイトなどを使って、プレイの光景をアップロードする人も現れるようになった。

■ リプレイ性
同じゲームを何度も繰り返して遊びたくなることを「リプレイ性が高い」という。プレイ時間が短く手軽に遊べるもの、ランダム要素により毎回プレイ内容が変わるもの、繰り返す度に自身の成長が感じられるような奥深さを持つものは、リプレイ性が高くなる。

■ 例外処理(れいがいしょり)
ゲームを行う上で行う処理の中で、特定の条件下でのみ行われる特別な処理のこと。「ルールの枝葉」とも言う。エラッタを潰すために特例として用意されるものだが、あまりにも例外処理が多いゲームは覚えることが多くなり、複雑なものになってしまう。

■ ロール
ダイスを振ること。「ダイスタワー」などを利用することで公平性のある出目を実現したり、「ダイストレイ」などのグッズを利用することで、よりプレイしやすくなる。

■ ロンデル
「マック・ゲイツ」が考案したシステムの一つ。円環状に各行動が取れるマスが表現されていて、同じ行動を取るためには、一周して再び同じマスに止まるまで選択することができない。『ナビゲーター』や『グレンモア』などが代表的な作品。

【わ】

■ ワーカー
各自が所持する駒をボードなどに配置していくタイプのゲームで、所持数が限られていて、回収要素を持つ駒のことを指す。限られた中でのやりくりを楽しむことが出来る。『カルカソンヌ』や『ビッグチーズ』などが代表的な作品。

■ ワーカープレイスメント
各自のワーカーをボードのマスに配置することで、マスに書かれた効果を発揮していくゲームシステムの一つ。相手の次の手を読んで、置かれる前に置くという奪い合いが醍醐味。『アグリコラ』や『カヴェルナ』が代表的な作品。